バーンアウトの状態を含むメンタル面の不調は、当事者自身は気づいていないことが多い傾向にあります。またメンタル面の不調はわかっているけれど、認めたくないといったプライドの問題から隠そうとする人もいます。バーンアウトの症状に回りが気付き対処に打って出ることも大切です。ここでは、バーンアウトの尺度である「Maslach Burnout Inventory(MBI)」から、代表的な症状をまとめます。

情緒的に消耗しきってしまう状況の「情緒的消耗感」が挙げられます。信頼関係の構築のための仲裁や、相手の家庭環境を慮って空回りをしてしまった結果に起こりうる状況です。「空回り」と表現した通り、尽力したのに自分自身が報われなかった場合に「気持ちが疲れてしまう」状態に陥ります。

また、周囲の人への配慮に欠けた態度をとることもバーンアウトの症状の一つです「脱人格化」と言われます。情緒面での消耗が著しいときに、自分自身の保身に走ることがあります。問題を人のせいにしてしまう、誰かの悪口を言うことで自分を正当化させようとするというような行動が現れます。

こういったことが続くと、当然個人的な達成感の低下も見られます。仲間や取引先とのコミュニケーションにズレが生じるため、仕事の質が低下します。これまでの自分が出してきた仕事の結果と明らかに違うため、達成感ややりがいが得られなくなります。自己肯定感の低下に直結するため、休職の申し出や退職につながります。難しい問題ですが、本人がバーンアウト症候群に気づき認めない限りは悪循環を呼ぶこともあります。注意深く見守る必要があるでしょう。